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個々のミーティングから、企業全体のMeeting Managementへ
前回のブログでは、計画段階にあるミーティングを、CMM(Corporate Meeting Management)の観点から成功に導くポイントと、CMP(Certified Meeting Professionals)の重要性についてご紹介しました。
こうした考え方は、一つひとつのミーティングを成功させるうえで有効です。
しかし、企業全体という視点で見ると、組織では複数の部門や地域にわたって、さまざまなミーティングやイベントが開催されています。これには、セールスミーティング、キックオフミーティング、社員向けセミナーなどの社内向け活動に加え、ビジネスパートナーとのミーティング、インセンティブプログラム、ディーラーミーティング、株主総会、投資家向けセミナーなど、社外関係者を対象とした活動も含まれます。
では、このような多種多様なミーティングやイベントを、企業全体としてどのように捉え、管理していくべきなのでしょうか。
今回は、個々のミーティングを成功に導く考え方を、企業全体のMeeting Managementへと発展させたSMM(Strategic Meeting Management)についてご紹介します。
なぜ今、SMMが求められているのか
SMMとは、プロセス、支出、サプライヤー、テクノロジー、リスク、データを統合し、ミーティング&イベントを戦略的に管理・最適化する、企業全体を対象としたアプローチです。一見すると、組織全体を対象とした取り組みに見えますが、実際には、企業全体におけるビジネスインパクトを高めるだけでなく、個々のイベントレベルにおいても、より大きなビジネス成果を生み出します。
企業には多くの部門があり、それぞれが異なる目的やニーズを持っています。そのため、「目的が違うから」「やり方が違うから」という理由で、ミーティングやイベントが部門ごとに個別に管理されているケースも少なくありません。
各部門がそれぞれの判断で運営することは、一見すると効率的でスピーディーな方法にも見えます。しかし、企業全体の視点で見ると、必ずしもそうとは言えません。
例えば、同じようなミーティングやイベントを開催しているにもかかわらず、異なる会場や取引先を利用したり、異なる業務プロセスで見積取得や承認を行ったりすることで、追加の時間や管理プロセス、それに伴うコストが発生するだけでなく、ミーティングやイベントに関する企業全体の支出を把握しにくくなります。
また、過去の交渉や契約に関する情報が部門間で共有されなければ、これまでに蓄積された知見やデータを十分に活用することもできません。
予算管理の観点から見ても、効果的なコスト管理の重要性は高まっています。Cventの「2026 Cvent Planner Sourcing Report」では、72%のイベントプランナーがイベントコストの上昇を予測しており、35%が予算内で運営することを最大の懸念事項として挙げています。こうした状況からも、ミーティングやイベントにおけるコスト管理の重要性がうかがえます。
さらに、コンプライアンスへの対応においても、部門ごとの個別管理が思わぬリスクにつながる可能性があります。
SMMを支える7つの管理ポイント
SMMでは、ミーティングやイベントに関わるさまざまな情報や業務を、個別ではなく全体として捉えます。主な管理ポイントは次の7つです。
01: 方針・管理体制
管理ルール、承認基準、各部門の役割を定めます。
02: 計画・業務プロセス
申請から実施、報告までの業務の流れを整理します。
03: 予算・支出管理
ミーティングやイベントにかかる支出を可視化し、予算やコストを管理します。
04: 調達・取引先管理
RFP、交渉、契約、取引先の評価などを管理します。
05: IT・業務効率化
申請、承認、予算管理、報告などの業務をテクノロジーでつなぎ、効率化します。
06: リスク・コンプライアンス管理
契約、承認、参加者の安全、個人情報などに関するリスクを管理します。
07: データ活用・継続的な改善
支出、参加状況、取引先の実績などのデータを分析し、改善につなげます。
重要なのは、これらを別々に管理するのではなく、相互に連携させることです。
見える化からビジネス価値へ
その第一歩となるのが、ミーティングやイベントの「見える化」です。
どの部門が、どのような案件を、どの取引先を利用して、どれだけの支出で実施しているのか。
こうした情報を企業全体で把握することで、コストの見直し、リスク管理、取引先との関係性の見直し・強化、業務プロセスの改善など、次の取り組みにつなげることができます。
見える化する
→
分析する
→
改善する
→
ビジネス価値につなげる
このサイクルを企業全体で継続していくことが、SMMの重要な考え方です。
SMMはどのような企業に有効なのか
SMMは、ミーティングやイベントが複数の部門や地域にまたがって年間を通して開催される企業で、特に効果を発揮しやすい考え方です。
一方で、一つの部署内で同じような規模や目的のミーティングやイベントが定期的に開催されている場合でも、SMMの考え方を取り入れることで、業務効率化やコスト最適化などの効果が期待できます。
例えば、次のような課題を抱えている企業は、SMMを検討する価値があります。
- 年間のミーティングやイベントに関する支出を十分に把握・可視化できていない
- 部門によって申請や承認のプロセスが異なる
- サプライヤーや過去の交渉履歴に関する情報が共有されていない
- 地域・拠点ごとに異なるルールやプロセスで運営されている
- 過去のデータを十分に活用できていない
業界という観点では、会議やイベントの開催数が多い製造業だけでなく、さまざまな業界でSMMを活用することができます。
例えば、コンプライアンスが重視されるライフサイエンス・製薬業界、多店舗展開に伴う標準化が求められるリテール・フランチャイズ業界、投資家説明会などを頻繁に開催する金融業界などが代表的です。
さらに、スポーツ業界においても、定期的に開催される大会やイベントにSMMの考え方を取り入れることで、運営の一貫性や効率性を高めるだけでなく、参加者や観客の体験向上にもつなげることができます。
このようにSMMは、単にミーティングやイベントの開催数が多い企業だけに有効なものではありません。業界や組織ごとに異なる課題に対して、ミーティングやイベントに関するプロセス、支出、サプライヤー、データを横断的に捉え、継続的な改善につなげたい企業にとって有効なアプローチです。
JTB USAによるSMM活用支援
SMMを始めるからといって、最初から新しいシステムを導入する必要はありません。
まず重要なのは、現在のミーティングやイベントがどのように運営されているのかを把握することです。
開催数や支出、計画・運営のプロセス、サプライヤー、テクノロジー、コンプライアンス、リスクなどを確認し、現状の課題を整理することから始めます。その上で、企業の組織やミーティング・イベントの特性に合わせて、運用方針や業務フローなどの仕組みを設計していきます。
また、SMMにおいてテクノロジーは重要な役割を果たしますが、テクノロジーそのものがSMMではありません。
テクノロジーは、企業として定めた運用方針や業務フローを効率的に運用し、ミーティングやイベントに関するデータを蓄積・可視化するための手段です。
例えば、社内申請、承認、会場選定、参加者登録、実施、振り返りまでの業務プロセスをテクノロジーによって連携することで、ミーティングやイベントに関する情報を一元的に管理し、企業全体の可視性を高めることができます。
一方で、契約管理、支払い管理、予算調整など、状況に応じた判断が必要な業務では、経験や専門知識を持つ人によるサポートも欠かせません。ここでは、前回ご紹介したCMP(Certified Meeting Professional)が重要な役割を果たします。
テクノロジーで「仕組み」をつくり、人が「判断とサポート」を行う。
この両方を組み合わせることで、ミーティングやイベントを個別に管理するのではなく、企業全体の情報や知見を活用しながら、より効果的かつ効率的に管理・最適化することができます。
これが、テクノロジーを活用してSMMを実現するうえで重要なポイントです。
JTB USAのCorporate Engagement & Events Solutionでは、各企業のニーズに合わせたミーティングマネジメント(Meeting Management)を提供しています。現在のミーティングやイベントの運営状況を把握・分析することから、改善機会の特定、効果的なプロセスの設計、組織全体の可視性や業務効率、継続的な改善を高めるためのソリューションの導入まで、幅広く対応します。
SMMへの取り組みをこれから始める企業から、既存のミーティングマネジメント体制をさらに強化したい企業まで、JTB USAは、ミーティングやイベントを戦略的に捉え、より大きなビジネス価値につなげるための取り組みを支援します。
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