Incentive Trip / Partner Engagement

インセンティブトリップを「楽しい旅行」で終わらせない

企業が社内外のパートナーや販売代理店向けに実施するインセンティブトリップは、本来「楽しい旅行」だけで終わるものではありません。企業がより持続的に成長するために必要な重要な戦略的取り組みの一つであり、適切にプログラムを設計・実施することで大きな成果を生み出すことができます。

しかし、現場の声を聞くと「旅行は盛り上がったが、代理店のモチベーション変化が見えない」「ブランドエンゲージメントが高まったのか測れない」「成果が見えず、翌年の予算承認が難しい」といった課題が多く挙げられています。

JTB USAは、インセンティブトリップが十分に活用されていない背景には、次の3つの理由があると考えています。

インセンティブトリップが成果につながらない3つの理由

1. 企画段階での「目的仮説」が不明瞭

「何のためにこのインセンティブトリップを実施するのか」が曖昧なまま進行すると、効果測定ができず、翌年以降の改善にもつながりません。

2. 企業が伝えたい価値・理念が十分に届けられていない

インセンティブトリップは、自社のブランド価値や企業理念、想いを共有できる貴重な機会です。しかし、参加者側のエンゲージメントを意識したプログラムをうまく設計できなければ、伝えたい価値や理念が期待どおりに届きません。

また、効果的なプログラム構築には、旅行中のコンテンツだけでなく、「旅マエ(実施前)」「旅ナカ(実施中)」「旅アト(実施後)」を通じた戦略的かつ一貫したアプローチが不可欠となります。

3.「関係構築・関係強化の場」としての設計が不十分

インセンティブトリップでは、「旅行」という共通体験を通じて一定の関係構築効果が期待できます。しかしながら、「どんな流れで」「どんなタイミングで」「どんな体験を提供するか」を適切に設計しなければ、得られる効果は限定的となり、期待していた成果に十分につながりません。

Insert:インセンティブトリップ設計の要点(差し替え用)

JTB USAが重要視する旅行設計・体験設計の考え方

JTB USAでは、インセンティブトリップを単なる旅行としてではなく、企業の持続的成長に欠かせないステークホルダー(参加者)とのエンゲージメントや関係性を強化するための重要な戦略的手段と位置づけています。その効果を最大化するためには、主催者と参加者の双方の視点に立った綿密なプランニングが不可欠であると考えます。

以下、JTB USAが実際にサポートした事例を通して、エンゲージメント・関係性強化・ストーリー性を軸とした、JTB USAならではの旅行設計・体験設計の考え方と成功へのアプローチをご紹介いたします。

事例紹介

在カナダ日系製造業メーカー:優秀代理店向けのAnniversary Incentive Trip

今回ご紹介するのは、在カナダ日系製造業メーカー様が実施した、優秀販売代理店を対象としたインセンティブトリップです。企業の周年記念を軸に、販売促進も同時に図ることを目的として企画されました。

JTB USAは、お客様との綿密な打ち合わせを通じて、高性能な製品を誇る主催企業が周年記念を機に「将来にわたって今後も持続的に選ばれる企業」を目指していることを深く理解しました。その実現には、企業フィロソフィーである「日本文化に根ざしたサービス=おもてなし精神」を参加者に深く理解・共感していただくことが重要であると考えました。

こうした考えを軸に、

  • これまでの感謝を伝える場の創出
  • 将来につながる関係構築を強化する機会の提供
  • 主催企業の優秀販売店であることに誇りを感じてもらえるブランド力の訴求

を、多様なアプローチを通じて実現できるよう、プラン設計に落とし込みました。

成功のための3つのポイント

ポイント1:旅マエ・旅ナカ・旅アトをつなぐ「専用のプラットフォーム」構築

今回のインセンティブトリップでは、旅行体験を「イベント当日だけで完結させない」ことを重視しました。

出発前から参加者の期待を高めるため、ビジュアルも重視した英語・仏語対応の専用プラットフォーム(ウェブサイト)を制作し、定期的にティーザーコンテンツを配信しました。旅行の舞台となる都市情報や旅程を段階的に公開することで、「参加したい」「もっと知りたい」という前向きな感情を引き出し、参加意欲とエンゲージメントを継続的に高めました。

帰国後には、ヒアリングを通じて、旅行満足度、企業イメージの変化、販売姿勢の変化、主催企業との関係性の深化などを確認し、体験の効果を可視化しました。 こうした一連の取り組みにより、準備段階から事後フォローまでを通して、参加者のエンゲージメントや主催企業との関係価値を高める「戦略的プロセス」として機能させることができました。

ポイント2:企業の想いをのせた「特別な夕食体験」

主催企業は、日本発祥のグローバル企業として、競合との差別化要素として「おもてなし」の精神を何より大切にしています。その想いをより深く体感いただくため、今回は伊勢志摩サミットでカナダ首相をはじめ各国首脳を迎えた夕食会のメニューを特別に再現し、上品な雰囲気の中でお楽しみいただきました。

「自国首相が受けたおもてなし」を類似体験することは、自国への誇りが高い今回の参加者にとって特別な体験となりました。総料理長の挨拶も交え、通常のバンケットやレセプションとは一線を画す、「ここでしか味わえないおもてなし」の時間を演出しました。参加者は、主催企業が誇る高品質な製品やブランド価値、そしてそこに込められた理念を体験を通して理解することができ、時を経ても色あせない特別な思い出として高く評価されました。

Insert:G7 Summit Experience Dinner

ポイント3:参加したくなる「体験型旅行コンテンツ」

ネイチャーアクティビティへの関心が高い参加者の国民性を意識し、カヤックやサイクリングなどアクティビティ型のツアーを企画しました。

また、「地元の人と触れあいたい」という昨今の日本へのインバウンド旅行者のニーズも考慮し、以下のような地域ならではの要素も体験に組み込みました。アクティビティ型・交流型のコンテンツは、見学型の観光に比べて記憶に残りやすく、エンゲージメント効果が長く続く点も大きな特徴です。

  • 海女小屋での昼食を交えた交流
  • 漁業を営む離島への小旅行
  • 地元で代々受け継がれている鰹節製造所の見学
Insert:アクティビティ型ツアーのイメージ
Insert:地域ならではの交流体験

さらに、主催者と参加者の関係性強化のために、各ツアーを選択制・少人数制とすることで、大人数では得られない主催者側スタッフと参加者の活発な交流を促し、より深い関係性が築けるように配慮しました。

これらのポイントに加え、工場見学や商品デモはインセンティブトリップにおいて欠かせない非常に重要な要素です。 特に今回の事例では、主催企業が「ものづくりへのこだわり」や「長く愛される製品哲学」を参加者と共有する場を設けたことで、参加者は単なる見学や製品説明にとどまらず、商品やサービスの背景にあるストーリーや思想に直接触れる貴重な体験を得ることができました。

成果・まとめ

今回のインセンティブトリップでは、従来の「楽しいだけの旅行」とは異なり、目的と課題を丁寧に整理したうえで計画を進めました。 その結果、主催者・参加者双方の旅行自体に対する満足度が高まっただけでなく、将来に向けた持続的な成長のための布石としての成果も達成することができました。招待対象となった代理店の多くが目標売上を達成しており、今回の旅行を通じて共感・体験した内容が、販売店と主催企業のさらなる発展に寄与することが期待されます。

また、参加者から以下のような声も届いています。

「毎年開催されている競合他社のインセンティブ旅行は内容がシンプル。それに比べ今回の旅行は内容が工夫されていて、記憶に長く残るインセンティブ旅行であった」

「ここまで内容が練られ、常に歓迎されていると感じられた招待旅行は初めて」

「一番記憶に残るインセンティブトリップだった」

これらの声からも、目的に基づいて体験を丁寧に設計したインセンティブトリップを実施することで、関係性の強化やモチベーション向上に大きく寄与し、加えて、毎年の恒例行事として実施する従来型(楽しいだけの)旅行よりも高い投資効果が期待できることが分かります。

もし、現在のインセンティブトリップに「楽しいけれど、ビジネス効果が見えない」というモヤモヤがあるなら、「旅行」から「体験デザイン」へ視点をシフトしてみるタイミングかもしれません。

周年事業や特別イベントをご検討中の企業様、また現在のインセンティブトリップに課題を感じているご担当者様は、ぜひお気軽に弊社サイトよりお問い合わせください。

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